ビジュアリストという役割
クライアントがモヤモヤしている、悩んでいる状態にあるところから、
霧が晴れてスッキリして、明快なイメージを持てるようにすることが
僕らデザイナーの役割なんだと実感したことがありました。
僕は、ここで【ビジュアリスト】という言葉を使いたいと思います。
目に見えていないものを見えるようにすること。
これは、かのバウハウスで教鞭をふるったパウルクレーも言っています。
また硬い話だな~と思わず聞いてください!
クレーさんの言葉を言い換えるとすれば、デザインは…
「クライアントが頭の中で描けていない
イメージを見えるようにすることだ。」
といえるんじゃないでしょうか。
このように考えますと、私達に要求される水準というのも分かってきます。
・ヒアリングする力
・振り幅を持って提案出来る力
・的を得たデザインを考える力
・要望を上回る圧倒的なデザインを提案する力
私の得意分野は、ヒアリングをしてメーカーの意図を読み取り、
的を得たデザインを過去のスケッチやコンセプト資料からいろいろ編集し、
方向性を提案することです。
みなさんならどんなヴィジュアリストを目指しますか?
いや~私にはそんな力ないからヒアリングの段階で怖気づいてしまいそう…
最初はそうです。みんな一緒です。
最初は見えません。手探りの中からこれはどうだろう?
こういう方向性はどうだろう?
といろいろな角度からスポットを当ててデザインを詰めていきます。
美容師を思い浮かべてみてください。
まず、美容室に行くと雑誌を渡されたり、髪形の並んだ写真から、
どんな髪型が良いか聞かれます。
この段階がヒアリングですね。カット中などは世間話をしながら、
その人の趣味や好みなどもヒアリングするかもしれません。
そして完成したら、鏡でチェック。イメージが違うとニュアンスを伝え、
再度カット調整してもらいます。
相性もあるかと思いますが、人気のある美容師ってどんな人でしょうか?
そのフローを簡単な図にしてみました。
美容室でのやりとりをイメージしながら見てみてください。
①イメージの明確化
アメーバのようなモヤモヤ。髪型もボサボサ。
そこで、ポンポンとイメージが湧き出るような雑誌やカタログを用意してあげて、
好みが分かったら、チョキチョキ挟みを動かし、イメージをパキパキさせます。
②イメージ確認のステップ
ラフスケッチでふり幅を広くした状態で提案。どんな感じが良いですか~?
コレコレ!これだよ!これで行ってください!
イメージが絞られればラフレンダで明快なデザインを提案。
コレコレがなければ、もう一度戻って、別の方向性を用意してみましょう。
③要求水準
常に自分のイメージの幅や深さを豊かにしているか。
これによって、最終的にCとまりなのか、Bなのか、Aなのか、
Sまでいけるのかが変わってくると思います。
Sランクまで行けば、予約殺到ですよね。
スケッチ力は引き出しがあり、それでもCやBがAにならない。
そんな人にとって強力な武器になると思います。
決して自己満足だけで終わってはいけないのが
プロダクトデザイナーだと思います。
しかし自己満足から始まるのもプロダクトデザイナーの宿命です。
一人称のデザインでモノを考え、
二人称のデザイン~三人称のデザインへ引きあげること。
難しいですが、これも重要なことですね。
身近な人の美容師になったつもりで、
どうしたら満足してもらえるか考えてみても良いですね!
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