【Idea02】wemakeが試みた問題解決型プロジェクトから見るこれからのオープンプラットフォームのあり方について

■wemakeによる熊本支援プロジェクト

熊本震災直後、wemakeユーザーのナカスタツヤさんが被災され車中泊を余儀なくされたという一報と共に、山田歩さん宛にwemake上で熊本震災プロジェクトが立ち上げられた。このプロジェクトは未完のまま終了したが、このプロジェクトから学べることがあったので、記録に残しておきたい。現場へ行くことはできなくても、何か出来ることをやりたい。被災地で困っている人がたくさんいる。車中泊を余儀なくされる方の心境、悩み、いやそれ以上の混沌とした問題が山積みだったと思う。そんな中でナカスタツヤさんの呼びかけに応じて熊本震災プロジェクトを立ち上げたwemake。「何か出来ることが無いか?」という疑問からこのプロジェクトは始まった。

 

Wemake 熊本支援プロジェクト

 

■誰もが知恵を出し合うプラットフォーム

車中泊を快適にするための湯たんぽというアイディアがあり、それを具現化する為の受け皿を作ったwemake。なかなかマスコミの報道だけでは見えてこない切実な問題。問題を傍観するのでなく主体的に行動を起こしたり、頭を使ってアイディアを練ったり、日本全国みんなが少なからず小さなアクションを起こせば、現実は変えられるかもしれない。一人だけの力では出来ないことも、みんなの英知を結集すれば問題を解決出来るかもしれない。そんな想いがwemake代表の山田さんにはあったのではないだろうか。これからの日本にとって最も必要な問題解決の為のプラットフォームを創り出そうとしていたのではないかと思う。We makeというネーミングからもそうあってほしい。

 

wenake 熊本支援プロジェクト コンセプト一覧

 

■Wemakeが進化するとどうなる?どうなって欲しい?

wemakeは、企画者、デザイナー、設計者、研究者、一般の方々がそれぞれ集まり、お互いの知恵を結集してアイディアを出すプラットフォームである。現状は大手メーカーから出されるお題に対してアイディアやコンセプトを提示する仕組みとなっている。僕は、さらにここから発展して、一人の当事者が抱えている問題を発見し、その問題を解決する為のアイディアやデザインを提案し、実現していく為のプラットフォームへと成長することを期待している。

 

 

■問題解決型オープンプラットフォームへの進化

wemakeの現状は【大手企業の悩み】を解決する為のプラットフォームである。大手企業の経営者や新規事業を担当する方がオープンプラットフォームを利用してアイディアを公募しプロジェクト化していく。そこには販売をすぐにしたいという【営利目的のプロジェクト】もあれば、10年先のライフスタイルや価値観にあったアイディアを公募する【未来思考型プロジェクト】などもあるが、基本は【ビジネスとして成り立たせたい】という思想がある。最終的には利潤追求型プロジェクトでありたいというメーカーからの依頼趣旨や意向があるはずだ。

 

一方で、熊本震災プロジェクトは他のプロジェクトとは異質であった。各個人が抱えている目の前の【問題を解決する為のプラットフォーム】というステージだったと考える。一人ではどうしようもなく、とてつもなく大きな問題。解決不能に見える問題にこそ焦点を当てて欲しいし、その一つの実験がナカスタツヤさんが提案したものだったと思う。熊本震災プロジェクトがそうであったように、問題解決の為のプロジェクトにはリソースや資金が必要だったが、その出資金や実際に実験を行う設備や人手が明らかに足りなかった点が反省点だと感じている。

実証実験は、現場にいる当事者リーダーと、大手企業がそれぞれのリソースを出し合い、実験を繰り返す為の環境と人が必要だろう。実験は実況中継され、wemakeユーザーみんなでブラッシュアップしていけるような、仕組み化が求められる。その為の軍資金をクラウドファウンディングや大手メーカーから出資を集め、プロジェクトの実証実験資金としたい。応援するファンと提案する登録ユーザーが主体的にプロジェクトを動かしていけるような支援が求められるだろう。

 

 

■ビジネス型と問題解決型プロジェクトの図解

上図の上段がWenakeを図解したものだ。下図は熊本震災プロジェクトから見えてきた、問題点などを参考にしつつ、問題解決型プロジェクトをどううまく動かすか?を図解してみたものになる。メーカー主導型プロジェクトとは違い登録ユーザー自らが抱える問題を発見し共有しながら、その問題解決を支援するメーカー、運営者。登録ユーザーどうしで解決となるアイディアを模索し、企画を立てる。計画はメーカーやクラウドファウンディングなどで資金調達を行い、実際に企画デザイン設計まで行い、試作や実証実験を繰り返す。

このようにして、プロジェクトを動かしていくような仕組み化が出来れば、社会問題や個人の問題など、今まで焦点が当てられてこなった問題を解決していく為のプロジェクトを動かしていけるようになるのではないだろうか。

 

みなさんはどう考えますか?

 

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モノ作りにおける図解表現 その2【図像】イラストレーション

図解の1つにイラストレーションがあります。図像と呼ばれます。このイラストレーションという図解は大変面白い図解です。自分の想像力を最大限に働かせて、イメージを広げて絵を制限や制約に縛られず、描いていきます。どこまで想像を飛ばせるか、妄想できるかによって、アウトプットの質が決まるといっても良いでしょう。イラストレーションによって、思い描いたプロジェクトの理想像を描ききること。デザイナーとして想像力が発揮される場面は、ここにあります。描けないことも多いですが、描き切れた時は、そのプロジェクトは成功する確率が上がります。

 

 

■超アマチュアのイラストレーション

子供がポケモンのイラストレーションを描いてくれました。突然です。今まで描いたことが全くないモンスター達をその特徴をズバリ掴んで、色と形でそのモンスターっぽさを表現する。らしさを認識して、記号化する。それをいとも簡単にやり遂げる子供の想起力、想像力、描写力はいったいどこから来るのでしょうか?

 

 

■イラストを描く子供の動機とは?

上の絵は、末っ子がはじめに描いた絵です。たまたまテレビでポケモンがやっていたそうです。それを見た後に、イワークを描き始めたそうです。すごーい!すごいね~!とママに褒められた末っ子。それをみていた姉が私もママに褒められたいという気持ちで、描いたのが上の絵です。お互いに私も僕も!とママを驚かせたい。褒められたい一心で、モンスターを描きまくったわけです。すごいですね。

ママのうわぁ!凄い!可愛いね〜!と褒められてる末っ子に触発されて、姉も、私も私も!描けるんだよ!どう?可愛いでしょ?といわんばかりに、兄弟同士で、イラストレーション大会が繰り広げられていたということです。

 

今回は図解の中の図像=イラストレーションについて子供の絵を導入にして、まとめてみます。子供の想像力のモチベーションはどこからくるんでしょうか?毎日進化していく絵を描くモチベーションはやっぱりママに褒められたい、パパにプレゼントしたい、嬉しそうな顔を見たい、という【気持ち】に潜んでいるんですね。子供から毎日教えられてます。誰かに届けたいという【気持ち】から発するイラストというのは、とても魅力的であって、輝いて見えます。僕もプロとしてデザイナー10年になりますが、子供の想像力には本当に驚かされます。子供達からクリエイティブ・エネルギーを貰っています。

 

 

■人に伝えるイラストレーション

完成イメージをプロジェクトメンバーで共有する時には必須の図解資料となるのがイラストレーションです。商品の完成イメージとか、利用シーンとか、どんな機能があるとか、説明する時にはイラストが最も分かりやすい図解となります。発想の起点となる部分でも、文章だけで発想する場合と、イラストを活用して発想する場合とでは、出てくるアウトプットのイメージの鮮明さが変わってくるように思います。 パっと見て商品や製品の全体像が理解出来る強力な武器がイラストレーションといえるでしょう。そしてこのイラストの中には初期のアイディアスケッチやラフスケッチなども含まれます。それはまた別稿で紹介させて頂こうと思います。

 

 

■モノを作る為のイラストレーション

特に外観イメージだけでなく、質感や加工方法などについても、イラストレーションに説明書きを追記していくことになります。2次加工の仕様図についても同様ですね。造形物のどの部分に塗装が載るのか、見切り部分はどのラインなのか、誰が見ても一目で分かる、そういう図解を心がける必要があります。 上の図解はROXのデザインモック用の指示書になります。この仕様書を試作業者さんが見てモックが完成していくんですね。仕様書に使われるイラストは既にモデルデータがあればCAD図面化したものを使用したり、キャプチャーを撮影して図示したりして使用します。

 

 

■ラベリングの為のイラストレーション
純粋に何かラベリングされてるものに対して、そのラベルのイメージを図解する方法もあります。職業のイメージをイラストにしたり、日々の子供の行動をイラストにするといったものです。僕の場合は給料&職業図鑑に幾つかイラストを掲載頂いた経験がありますが、文字情報の中にイラストがあると、その書籍を手にとって読んでもらったり、ブログを読んでもらったりする時の、情報のアイキャッチにもなります。ラベリングされたものを強調して表現したりしてみる、少しズラしてみたりしているのが給料BANKさんのイラストだったりします。ちなみに、上のイラストレーションは高速料金所のスタッフの特徴を示したものになります。

 

給料BANK 高速料金所スタッフ

http://kyuryobank.com/other/kosoku.html

 

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モノ作りにおける図解表現その1 【図面】

■図面

 

物作りにおける図解伝達手段としては、図面、断面図、側面図など、空間の中に物質を定義する、カタチを定義するための図解があります。その中でも最も古くから使用されてきている図解手段が2D図面です。デザイナー、モデラー、設計者、品質管理者、試作加工業者、金型屋など、モノ作りの専門家同士の最も正確なコミュニケーションツールと言っても良いでしょう。最近では、3Dデータでのコミュニケーションが主流ですが、データを扱えなかったり、CADツールの互換性が無いとデータ閲覧が出来なかったりもするので、万国共通のツールとして図面が必要となるケースが多いです。デザイナーにとっても、図面データから、シボ指示や、2次加工の仕様書等を作成することが多く、実寸サイズでモノを確認する為のツールになります。
 
■断面図
そして、図面の中にはバッサリとある直線で切り取られた断面図という図解があります。モノ作りにおける構成・構造・実装を考える場合に必然の図解です。樹脂、基板、LED、機構などの実装化を検討する際に図面を手描きで書けないと、設計者やモデラーとのコミュニケーションは取れません。造形の起伏、制約がある中で如何に形状を作るか、部品と部品の合わせ方、組み付け方や、部品どうしのクリアランスなども精密に断面図から想像して、定義をしていきます。設計者には必須の図解ですが、デザイナーにとっても必須と言っていいでしょう。意図する形状を正確にモデラーや設計者へ伝える為に、実寸断面図を描ける、図面を引けることが形状を決めていく上では重要なスキルとなります。
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オープンプラットフォームにおけるオンラインコミュニケーション

■オープンイノベーションとしてのオンラインコミュニケーション
コミュニケーションは直接取れるのがベストです。顔も知らない、どんな服装なのかも知らない。雰囲気もわからない。そんな中でオンラインでコミュニケーションをしていてもなかなか融通や空気感が伝わらず、熱量のある人はガンガンやるけど、それ以外は蚊帳の外ということにもなりかねません。実際企画マンと呼ばれる人は相当熱量があったり、プロデューサーやディレクターという方達もプロジェクトを引っ張っていく立場の人というのは結構なアクティブさが必要なので、必然的にそうなるかもしれません。能動的にやるか、受け身になるかで、行動量や文章量、スケッチ量なども変わるんでしょうね。これは本業でも実感していることです。
 
■オンラインに向いている人
さてオンラインコミュニケーションで重要なことは、何でしょうか?ある一定のコメント内容から、相手の意図を汲み取ったり、アイディアを乗っかって広げてみたり、数珠繋ぎにしてみたり、想像の羽を広げて、終着地点わかんないけど、とりあえず自由に飛んでみようよ!っていう感覚がとても重要なんじゃないかなぁと思います。もちろん批判精神でアイディアを絞り込んでいくことも大切ですが。1を聞いて10を知る。1をお願いされて10返すみたいな人がいると、オンラインコミュニティは盛り上がるし、活気が出てくるんだろうと思います。
 
■オンラインに向いていない人はどうする?
先日のWEMAKEのオープンイノベーション記事をReadmasterこと、大橋さんに紹介して頂けました。大変光栄な事です。
ブログによるブログの横断コミュニケーションですね。これも一つのオンラインコミュニケーションのあり方なんじゃないかなぁと思うわけです。着火して伝っていき、また戻って来るみたいな。やはりある程度の文章量によって、伝えたいことってようやく伝わるものだと思いますが、この文章を作成するということに対して苦手意識がある人はオンラインは向いていないかもしれません。ですが、文章でなくても、スケッチ描けたりすればグラフィックファシリテーションができるわけですし、一概には言えません。私も文章まとめるよりも先に図解で示したいというタイプなので。
 
■文章だけのコミュニケーションから図解コミュニケーションへ
ここはwemakeやアイディア共有サイトなどでも少し問題提起しておきたいところですが、オンラインで議論することはとても大切で、文章VS文章みたいなアイディアディスカッションって結構多いと思います。ここで文章をまとめていくのに分量があればあるほどまとめが大変になります。そこで、簡潔に議論の内容を図解したり、イメージで描いてみたり、そうすることで端的にビジュアルでみんなが一瞬にして共通認識を持てるというようなことが重要なのではないかと考えています。かといって今流行りのグラフィックファシリテーションともちょっと違うんですが。GFだと絵巻物を描くというイメージですが、僕がイメージするのは、やはり図解です。図で解説するということです。インフィグラフィックが最も近いでしょうか。インフォグラフィックデザイナーがGFやったら最強だと思います。木村博之さんとか、西岡文彦さんがメンターですね。このお二方は本当尊敬するメンターです。
 
といったところで今回はオンラインコミュニケーション。特にオープンプラットフォーム上でのコミュニケーションについて考察してみました。図解、絵、文章を上手く組み合わせてコミュニケーションする方法があれば最高です。今の所、僕は自分とのオンラインコミュニケーションはEvernoteが一番でしょうか。
 
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伝染するデザイン

ROXプロジェクトを面白おかしく語ってくれた富士ゼロックスのSSKさん。楽しそうにロボコンのことをいろいろ語って頂きました。是非とも関東大会勝ち抜いて全国大会出場に向けて明日頑張ってほしいです!
ROXくんはこのモデルの三倍はあるというサイズのインパクト大のロボットに大変身しているとのこと。顔認識やコミュニケーション機能など、いろいろ検討されているそうです!はぁ、楽しみ楽しみ!ライブ配信も検討中とのことで、是非ライブでロボコン見てみたい!


■想いは伝わって広がっていく
大袈裟ではなくて、自分が徹底して拘って作り上げたものは誰かに伝わり、そこから伝染して行って、どんどん広がりを持っていくんだということを実感しています。魂が込められているかいないかというのは、すぐにバレてしまうんだなぁと思います。デザインというのは対峙するものは対象となるテーマであったり、問題であったり、コンセプトであったりしますが、対象を通して実は自分と対峙しているんですね。どこまで拘りを持てるかは、自分とどこまで対峙できるか、喧嘩できるか?ということなんだと考えます。徹底して自分と向き合うことがデザインなんだろうなぁと。それが中途半端だとやっぱりうまくいかないし、成功もないんだろうなぁと漠然とですが、思います。魂が込められているかいないかは伝染するんだと思います。


■隣にいる人のアドバイスを素直に聞く
自分と向き合うことに限界が来る時もあります。そんな時はすぐ隣にいる人の意見を聞くと、全く異なる視点からアドバイスを貰えるので、本当に真剣に耳を傾けて聞くわけです。あぁそんな考え方あるんだ。そんなイメージに見えるんだ。そうすると自分の足りない部分が見えてきて、何を強化すればよいかが見えてきます。僕の場合はそれが家族であったり、友人だったり、クライアントさんだったりします。デザイナーでなくても、上司でなくても良いです。直感的に感じたことをそのまま言ってくれる人がいると本当に支えになります。僕の場合は妻のボソっと言う一言をピュアな気持ちで受け止めます。デザインに関しては素人でも、良いか悪いか?はセンスのある人だったらすぐ分かります。妻に良いね!って言ってもらったら合格なんです。だいたいうまく行く。独りよがりになるのではなく、誰かに直感的に答えてもらう、お世辞も要らない、率直な意見。結構これでグサリとやられることも多いですが、受け止めます。ナニクソ!という気持ちですね。そういう存在が近くにいるのは本当に大きいです。


■自分と対峙してニュートラルに
クリエイターの自己満足ってありますよね。作った本人は満足しているが、それを使う人や利用する人、見る人にとっては良くわかんないという…。そんなとこ見てないよ〜という細かいところにまで執着して拘ることですね。自己満足なんですけど、これってとっても重要なことです。自己満で終わってはいけない、その先にいるユーザーのことを考えないとと言われるデザイナーさんはいると思いますが、それは想像力豊かな本当に優秀な方ならできます。僕みたいな人間は他人の気持ちを想像したりすることは苦手なので、まずは、自分が満足出来るかどうかを最大の指標にしています。ニュートラルな状態で自分のスケッチなりアイディアなりモデリングなりを見て、違和感があれば何かがおかしいので、検証します。これって良いね!と思えるようになるまで、見ては調整、見ては調整を繰り返して、少しずつ自己満足いくものに仕上げていきます。スケッチであっても、CGであっても、モックでも、試作でも、型品でも同じです。後者にいくに従いお金の動かし方もなかなか荷が重く、動く人の数も半端なく多くなってくるので大変ですね。
そんな時に大切なのはハートしかないんですよね。どれだけ愛着があるか、親密感があるか。我が子のように扱えるかどうか。そんな可能性をROXは秘めていそうです。独り立ちするまでは面倒みるからね〜。と言いたいとこです。
富士ゼロックスの有志のみなさん!!
明日は本当に頑張ってください!!
応援しています!
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CEATEC2016デビューHONDA MC-βのコンセプトデザイン提案について

今回CEATECに出展が決まった自分の中では、大きな大きなプロジェクト。この機会を頂いたカブクの横井さん、ランサーズの西藤さん、庄田さんには感謝しきれません!コンセプトカーをデザインすることは長年の夢でしたが、こんな形で実現するなんて、本当に夢のまた夢です。プレスリリースの記事でもデザイナー総勢10名の方の中より私のデザインをトップに持ってきて掲載頂けたことは大変光栄なことです。大手メーカーが進めるオープンイノベーションの波に乗って、自分をブラッシュアップしながら、さらに進化していきたいです。改めて気が引き締まりました! 

 

■移動式販売モデルカーとしてのアイディア

本プロジェクトは、ROXプロジェクトに引き続き、オープンイノベーションプロジェクト第二弾です!出展用のデザイン案については、企画アイディア段階から関わらせていただき、私の提案した後部ユニットの着脱式アイディアを評価して頂き、最終案でもそのアイディアを具現化する形となっています。 なぜ着脱式なのか。これは移動式の屋台というテーマを頂いた際に、どうしてもネックになってくるのが、汎用的なスタイリングコンセプトカーデザインの中にも、具体的なコンテンツとして、屋台が含まれてくるということです。抽象と具象の合いの子みたいなイメージですね。それでいて、地域の特色を全面に打ち出していくスタイリングにまとめていかなければいけない。 

 

■古民家のようなクルマ

ヒントにしたのは古民家です。古き良き伝統や文化をこよなく愛し、時代性や建物の歴史を重んじる鎌倉のイメージから、古い中にも現代の時代性を取り入れて若者に人気の古民家カフェ。このイメージが移動式屋台とマッチするのではないかという仮説の元スケッチを進め、出来上がったコンセプトです。また屋台というと古き良き移動屋台もありますが、鎌倉の景観の中に溶け込み、誰もがハッと足を止めて近寄ってくるような先進性のあるデザインにもしたいと考えていました。そこで、全体の外観スタイリングは古民家をイメージしつつも、屋台の外観とインテリアについては男前インテリアなどのイメージを参考にしながら、ブラックと木製パネルのコントラストによって、今までにないコンセプトカーを実現しました。インテリア照明に使われるような照明を後部に持ってくることでアイキャッチにもなり、夜の屋台としても機能することが可能になります。 

 

■今後は?

今回のプロジェクトはとても刺激的で良い経験になりました。実現性については現時点では考慮に入れていませんが、着脱する機構や安全性など考慮しながら、さらにモデルを詰めてブラッシュアップしていけば、実現不可能ではないはずです。CEATECでの評判によっては今後ステップアップしてモック製作などが出来たら、最高だと考えていますが、こればかりはメーカーさんの意向に沿うしかありませんので、良い方向に進んでいけると良いなぁと。カブクの横井さんが不眠不休で仕上げたコンセプトモデルも素晴らしいです。是非とも明日拝見させて頂き、3Dプリンターの可能性を探ると共に、勉強させて頂き、出来ることはすべて吸収して帰ってきたいと思っています。 

 

■オープンイノベーション市場に求められるのはデザイン力

ROXとMC-β改モデル、どちらも共通して評価を受けているのが、スタイリングデザインだと感じています。今まで養ってきたスキルを活かしたモノづくりをしていきたい!という想いの元、オープンイノベーションという新たな価値を生み出すステージでどこまで自分のデザイン力が通用するのか、この一年はいろいろなプロジェクトに出品提案しながら、試してきましたが、一定の成果はあげられたかなぁと思っています。目の前にあるチャンスをものにして、確実にステップアップしていけたら良いなぁと思っています。 

 

■まとめ

 

まだまだ、ひよっこです。恩師からはある環境にいる限りは、お前はデザイナーでは無いという言葉も頂いたこともありました。真摯に受け止めつつも、何かしなければいけないという焦燥感にかられながら、少しずつ前に進んでいる状況です。自分の得意分野の技を磨きあげて、誰にも真似できない、自分だけの独自の表現方法なり、伝達手段なり、発想法を作り上げていきたいと考えています。まだまだ発展途上にある自分ですが、これからも地道に頑張って行きたいと思いますので、みなさんよろしくお願いします! 

 

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オープンイノベーションデザインの役割

■得意を活かして打って出る

得意分野の【技】を磨き上げていって、
あるレベルまで達したら、その技を全く異なる分野に応用してみると、
意外にも磨き上げきた【技】が重宝されたり、
今まで見えていなかった提供価値が見えてくるものです。

とあるオープンイノベーションプロジェクトにて、
私が提案したデザインが評価されて展示会で発表されることになりました。
まさか本当に展示されるとは思ってもいませんでしたが、
本気で取るぞ〜!という気持ちで打って出ると
意外と行けるものですね。

■文殊の知恵
大手メーカーはしきりに社外にアイディアやデザインを求めて、
今までとは違う視点で、コンセプトや製品、商品の開発をしていく
取り組みを加速させています。

これは僕のようなデザイナーにとってはまたとないチャンスだと考えています。
今まで磨いてきたデザインの力を発揮出来る場があることは本当に幸せなことです。
今自分がやっていることといえば、初期の企画段階から、
コンセプトを練り上げてカタチに落とし込んでいくまでの作業ですが、
その一つ一つのステップでどこまで考え込めるか、イメージを広げられるかで、
最終的にアウトプットされるデザインのレベルも変わってきます。
なかなか思いつきから抜け出すアイデアへ到達するには、
自分一人の知恵ではうまく落とし込めなかったり、
不完全だったりしますが、ほかの知見や経験を持った人達と一緒に、
練り上げて行くと思いもよらないところで、
シナジー効果が産まれたりするものです。
アイデア会議の場というのは、そういった予想外の展開に出会えるまたとない機会だと考えています。

文殊の知恵は本当にあると思います。


■オープンイノベーションはオープンソーシャルイノベーションへと進化したい

デザインはあったら良いなを実現するものだと
勘違いしている人が多い気がします。
私も実際ビジネスの話になるとあったら良いなというアイデアや
ネタしか思い浮かばないこともあります。
ですが、オープンイノベーションで本当に実現するべきは、
今この世界で、この瞬間にも、
困っていたり、悩んでいたり、苦しんでいたりする人達の為になる
サービスを提供することではないだろうか。
お金目的も豊かになる為には必要かもしれないけど、
もっと本質的な利益ってあるんじゃないだろうか。
とふと考え込んでしまうことがあります。


例えば、あなたが日頃生活している中で、
本当に心の底から悩んでいることってなんでしょうか?
本当は解決したいんだけど、心の中にモヤモヤ霧がかかっていて、
見えにくかったり、わざと見えにくくしてごまかしてしまっている
ことってないでしょうか?



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coconalaサービス50件達成を振り返ってみる

■Readmasterさんのココナラ考察が面白い
readmasterさんのココナラ記事が実体験に基づいており、非常に説得力があり、面白く、ココナラーズとして、凄く共感できる部分がありました。readmasterさんのように、地道にコツコツやっていこうと改めて感じました。


readmasterさんとはwemakeコンペ受賞後に、小型ハンディスキャナで受賞されたゆーきさんを通じて知り合いました。僕は企画のオニオオハシことreadmasterさんのことを師匠と呼んでいます。企画に対するストイックさが良い意味で異常です。思いついたらやってみないと気が済まない方です。
師匠は仮説を作ってやってみて検証する、このサイクルが確立しています。その過程のサイクルも楽しんでいるし、無料でアイデアにどこまでの価値があるのか検証してみるっていって100件到達出来る人ってなかなかいないです。

■貢献精神の高い人達の集まり
自分も最初は無料から始め、ステップアップしていき、ココナラマスターまでレベルが上がると、有料化が出来るようになり、価格の上限も5000円まで設定が可能となりました。無料でやってる頃と有料でやること、提案の質は変わりませんが、お金に換算していくとやはりビジネスや工数との兼ね合いで、出来ることと出来ないことの線引きを引くことも必要となってきます。工数換算でいけば、ココナラの工数単価は非常に安価でありながらも、それなりのレベルのクオリティの成果物があがってくるイメージです。

■対価はお金+αがある
ですが、それはビジネス視点で考えた場合の話で、ココナラを利用されている購入者側の人達は個人のお客様や、デザイン単価がどれくらい普通はいるものなのかは知らない方がほとんどです。なのでなかなかこの修正に対してどれくらいの工数がかかって、単価がどれくらいで、というような交渉というのは残念ながら通用しません。なので、ココナラでサービスを出している方というのは、ビジネス視点だけでなく、自分が他者に対して貢献したいと思っていたり、満足してもらえたり、喜んでもらえたり、人脈作りや、実績作り、ポートフォリオ作りなど、サービスを提供することで産まれるお金以外の価値に重点を置いて活動されている場合が多いんじゃないかと思いました。また、自分自身のスキルアップやキャリアアップの為のトレーニングの場としても有効活用できます。リアルなお客様との対話や、サービスの提供によって、市場の傾向を掴んだり、コミュニケーション能力を高めたりすることにも活用出来ると思いました。
実際、ココナラで提供しているデザインサービスに対するお客様とのコミュニケーションというのは、他の場面や仕事でも、複眼的な視点を持てるようになりました。

■無料から有料化にして変わったこと
無料の時はおひねりが結構ありました。有料化してからは要望ボリュームが増えすぎたりした時に、おひねりで追加料金もらうみたいな使い方になり、感謝の気持ち=おひねりという使われ方は少なくなってきました。そして5000円設定では、やはり問い合わせがあっても依頼まで漕ぎつかないことが多くなります。ここは実績と、デザインの好みと、競合との比較で負けてる可能性が高いです。購入されるお客さんとしてもそれなりの対価を支払うわけですから、おなじ単価でどれだけのクオリティであげてもらえるのかは、じっくり吟味されているということです。経験値にそぐわない価格設定だと、デザインの場合はなかなか購入まで至るケースは少ないので、3000円と5000円の壁は結構大きいというのが実感値です。

■成果物のイメージが付きやすいサービスとは?
サービスの文言一つで依頼数も変わることも分かりました。「キャラクターデザイン描きます」、と「ゲームに登場するようなキャラクター描きますでは、お気に入り登録数や、受注数も変わってくるというのが実感です。イラスト描きますというのもアバウトすぎるので、かっいいイラストなのか可愛いイラストなのかでカテゴリ別にサービスを作り、ニーズに合わせたサービス展開を心掛けて来ました。「ゲームのような」や「カッコイイ」などの修飾語を入れて始めてどんな絵を描いてくれるのかが購入する側からしてみれば分かるわけです。
デザイン出来ますというのと、メカ系のロボットのデザイン出来ますというのとでは、後者の方が依頼した時に上がってくる成果物とお客さんがイメージしている希望する絵がイメージしやすいということです。

■まとめ
ココナラをガチのビジネスで使うという感覚で行くとなかなか上手く行かないのではないかと思います。自分の技と心を磨く修練の場だと考えています。実績件数50件達成を振り返ってみましたが、次は100件目指して、サービスをより良いものにしていきたいと考えております。今までサービスをご利用頂いた皆様に感謝するとともに、これから出会えるお客様とのサービスを通したコミュニケーションを楽しみながら、少しずつ経験値を上げて行きながら、価値あるサービスを提供出来るように誠心誠意頑張っていこうと、改めて思った次第です。
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ハイブリッドスタイリングデザイン

■得意が実りに変わる時 

8月後半から今月にかけて、とあるオープンイノベーションプロジェクトに 

参加させていただく機会に恵まれました。 

詳しいことはまだ公表はできませんが、 

今までにデザイナーとしてキャリアアップを図ってきたことが、 

着実に成果につながったと実感出来るプロジェクトでした。 

今回関わったプロジェクトは、アイディアと造形センスを求められるシゴトでした。 

ユニークなアイディアと、合理的な機能を兼ね備えたアイディアが評価され、 

特定ターゲットの人たちが気になって足を留めるような魅力のあるデザインに仕上げ、 

最終CGデザイン選考まで残り、10月のとある大きな展示会で発表されることになりました。 

 

このプロジェクトはデザイナーとして絶好のアピールになると考えていましたので、 

何がんなでも絶対にとってやるとい意気込みで粘りに粘って獲得した案件です。 

デザインとCGという得意分野を活かせるプロジェクトでしたので、 

泥臭いながらも、マメに進捗確認を行いながら、クライアントさんがどんなことを 

求めているのかを手探りですが、スケッチも複数案提案しながら、探っていきました。 

 

公表が出来るようになったら、企画アイディア出し~デザインプロセス~モデリングまでの 

過程を説明したいと考えています。 

 

■ハイブリッド造形思考を活用しよう! 

私の本業はアミューズメント分野ですが、 

他の業界と比べると割とデザインの自由度も高いほうだと思います。 

初期の企画アイディア出しもモデリングの自由度も、 

家電や他のプロダクトと比べると、高い方です。 

制約の中に収まり、設計機構が実装化可能であれば、極端な話なんでもありです。 

つまりデザイナーの想像したイメージをそのまま形に落とし込んでいけます。 

だからこそ、デザイナーは単にスケッチを描いていれば良いわけでなく、 

スタイリングの監修が出来て、モデリングも出来るというスキルが求められてきています。 

かなり難度が高いデザイン×モデリングスキルが必要になってきました。 

そこで、僕は3年前に思い切ってモデラーへ転向して、CADやCGを少しずつですが、 

覚えてデザイナー自らがモデリングも出来ることで、お客さんとのコミュニケーション手段の 

幅を広げつつ、他を圧倒するような見栄えのするデザインを追求してきたわけです。 

 

造形思考を2Dのスケッチで詰めていく段階から解放して、 

自分で形を作り上げていくモデリングの過程を踏めるようになったことで、 

デザインの表現力と伝達力が大幅にレベルアップしました。 

といってもまだまだスケッチとモデリングとの間には大きな壁があるのが現状です。 

スケッチとモデリングのイメージ共有化の技をさらに磨き上げていく必要性を痛切に感じます。 

少しずつですが着実なステップアップを踏んできました。 

 

■反省点を振り返り 

今回のプロジェクトでは試行錯誤の連続でしたが、 

なんとかコンセプトモデルとしては魅せられるレベルには達しました。 

しかし実現性の面でいけば、規約制約などは考慮しきれておらず、 

モデリングにも粗が目立つ状態で、時間の都合もありましたが、 

次のシゴトに活かしていきたい課題もいろいろとあります。 

自分一人だけの力で企画を練るということにはまだまだ限界があり、 

常日頃からインプットする量ももっともっと増やしていくことが重要だと感じました。 

違和感の積み重ねですね。 

モデリング技術とデザイン力をさらに磨いて、 

近未来に実現するソリューションをデザインの力で 

目に見えるようにしていきたいと考えています。 

オープンイノベーションには、デザインの力が不可欠です。 

さらにはイノベーションを実現するためのシミュレーションにはモデリングが不可欠です。 

 

■提供可能な価値を活かせる場を自ら作り上げるには? 

このようにして、デザイナーとモデラーのスキルを掛け合わせることで、 

相乗効果を生み出し、効率化を図りながらも、独自のデザイン造形思考を練り上げるプロセスが確立してきました。 

モデリングは正直なところ3Dの立体把握が苦手だったので、モデリングスキルを身につければ、 

弱点を補えるだろうという気持ちで始めたところもありますが、 

ようやく最近になって、デザインとモデリングを総合したスタイリングが生み出せるようになり、 

実績が少しずつ増えてきつつある段階です。 

自分のシゴトの提供価値を高める為には、技を磨くことだと思います。 

発想力、表現力、伝達力という技を磨いて磨いて、ブラッシュアップしていけば、 

自分にしかできないデザイン、自分にしか提案できないアイディア、自分にしか造形できないモデリング 

が出来上がるのではないかと考えています。 

 

■得意技で勝負出来る世界を考えて見ると 

ただし、デザインとモデリングが出来る人なんてこの世の中にはたくさんいると思います。 

ゲーム業界であれば特に、クリーチャー系やキャラクターモデリングなど、手描きスケッチからモデリングまで 

一人でやってしまうような達人さんがたくさんいる世界です。 

そこで、自分だけにしかできない、提供価値ってなんだろうとふと考えてみました。 

ゲームでは難しいかもしれないですが、プロダクト分野であれば割といけるんじゃないか。 

プロダクトデザインの世界では、デザイナーとモデラーの分業化が進んでいて、 

デザイナーがモデリングまでやるという機会自体が少なくなりつつあります。 

またモデラーはデザイナーからの指示がないとモデリング出来ないような人が増えてきているように思います。 

これは問題です。お互いの領域に寄り添いながら、お互いの領域に歩み寄りつつ、 

分業の垣根を越えて良いもの作ろうよ!と一致団結しない限りはイノベーションなんて生まれないと考えたほうが良いです。 

 

オープンイノベーションを強力に推し進めていくためには、共有可能なイメージが必要です。 

具体的に描かれたビジョンが必要です。それは時にはコンセプトであり、 

時にはデザインモックであり、時には抽象的なビジネスモデルかもしれません。 

どの場面でも重要なのがイメージ可能な指針=記号だと思います。 

この記号を示すことができる唯一の職能はデザイナーだと思います。 

恩師から教わり、ずっと言われ続けていることでもあります。 

未来を予測し、洞察し、ビジョンを描けるデザイナーが活躍出来る世界こそ、 

オープンイノベーションを産み出す新規事業部門や、

異業種横断型共創プロジェクトだったり するのではないでしょうか。 

ご興味ある方は是非ともお声がけ頂けたらと思います!

 

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得意分野のシェアリングエコノミー

■苦手を支えて得意を磨く社会
誰にも苦手分野というものがあります。
誰にも得意分野というものがあります。
得意な分野で活躍し、苦手な分野は誰かに支えてもらって補い合う。
そんな、得意を分かち合うエコノミーが
これから発展していくのではないかと予測しています。
既に得意分野をサービス化するプラットフォームも登場していますが、
これからさらに加速していくと考えられます。
図のようなパックマンのように、
何かが秀でていれば、何かが欠けているのが人間です。
欠けているのは障害者だけではありません。
健常者もできる部分もあれば、苦手なこともあります。
全てが均一というのではなく、
みんな凸凹(デコボコ)があります。
デコボコを認め合い、お互いの長所短所を理解し合える
社会作りがこれから活発化していきます。

■凹凸を活かしたチーム作り
デコボコを埋める為にチームがあります。
お互いの苦手なところは補い合い、
得意な部分にフォーカスして、
最大限のパフォーマンスを上げていきます。
適材適所でチームを組み、今までにないような
価値を提供していけるようなチーム作りやマッチングが、
イノベーティブなプロジェクトには必要不可欠です。
義務教育では学力を均一化する仕組みを基本として、
文系と理系に完全に分けた教育が主流でしたが、
そういった枠組みを超えて、分野の垣根を超えて、
お互いの得意分野を掛け合わせていく。
それこそがこれからのチーム作りの基本となると考えます。



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点は線で繋がっていく

■ボツネタは本当にボツになるのか?

過去に必死に考えたアイディアはコンペ採用ならない場合、無駄なのでしょうか?

実績が出ない時程不安になりがちです。

僕も実績が無い時は認められていない気がして不安な時期が続いたこともあります。

しかし、視点を変えて、全てのアイディアやプロジェクトは過去からの繋がりによって産まれてくると考えましょう。

あの時あの瞬間にあのアイディアを考えていなかったら、今このプロジェクトは無い。

実際私が関わっているROXの元ネタは過去にストックした、

こんなロボットあったら良いのになぁという素案を発展させたものでした。

 

■肯定的に考える癖をつける

目の前にある頼まれ事を丁寧に作りこむと、

もし不採用になったとしても次に繋がっていきます。

不採用の時こそチャンスだと捉えましょう。

審査する側の人が脳内でイメージしていたものとマッチングしなかっただけです。

刺さらなかっただけです。

アイディアは非常に素晴らしい可能性があります。

その時点で他の人が考えたアイディアと類似していたり、

既存商品でそのアイディアに近いものがあったとします。

そこであ~こんなアイディアはもうあるよね~。

で終わるのか、既に世の中に出てたのか~畜生~!

もっと早くに思い浮かんでいたら、大成功してたかもしれないじゃないか~。

的は外れていないんだ。この調子でアイディアをもっともっと考えていこう!

とポジティブに考えるかで、その次のステップでの初動が違ってきます。

ボツったネタも大切に自分の糧にしていくことで、

経験値も上がり、似たようなテーマが来た時に応用が利くようになってきます。

アイディアをストックしておけば、どこかの機会でブラッシュアップするチャンスが産まれます。

 

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企画脳の育て方

■カタチとコトバのインタラクション
 
僕はアイディアを考える時、
スケッチを描いてイメージを想像しながら、
アイデアを練るという手順を踏んで発想していきます。
一方で、スケッチを描く前後には、アイデアや企画内容を
文章としてまとめるということもしています。
 
【カタチからの発想】をスケッチで描き、
【コトバからの発想】を文章で作成する。
この相互のインタラクションによって、アイディアを詰めて行きます。
なかなか上手くいかないことも多いですが、
カタチ⇔コトバを行き来した回数によって、
アイディアやデザインも深まっていくだろうと考えています。
 
さらに、
【形】⇔【図解】⇔【言葉】と、
図解も含めて考察を深めていければ、
鳥の目と蟻の目、両方をイメージしていけます。
 
 
■企画脳=体験脳+イメージ脳=創造脳
 
企画脳はどうやって育てていくことが出来るのでしょうか。
上の図式のように、企画脳を鍛えるには、
自らの体験から、イメージする想像力が不可欠だと考えます。
理由は、自分が体験したことでないとイメージが湧きにくいからです。
具体的なイメージが出来れば、問題点や課題点が浮かび上がります。
そこから初めて創造するという行為が始まります。
 
第三者が体験したことを伝え聞いてもなかなかイメージ出来ません。
リサーチというのも本当は実体験のリサーチが必要です。
第三者にアンケートを実施して、その意見を取り入れた商品企画を
出すということもありますが、
提案者自らが実体験していない意見を取り入れても
デザイナーや起業家としては、
なかなか本当の意味での【解答】というものは出せないでしょう。
 
■日常の中で体験をストックする
 
日々の日常の生活から感じることに敏感になることで、
実体験の経験値を上げていくことを意識しています。
それらをストックしていく仕組みを作ることも意識しています。
 
僕はこのことを最も大切なことだと考えています。
ちょっとおかしいなという違和感、
ちょっとした心遣いに感動したこと、
家族の中で日々起こるちいさな事件。
 
これらをしっかりと記憶し、
課題、問題としてメモを残しておくことをお勧めします。

 

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FUJIXEROX 価値あるコミュニケーション「ROX」

「Idea Facilitation communicator ROX」

01.応募のきっかけ 
とにかく面白そうなテーマだった。価値あるコミュニケーション。漠然としているがなぜか心惹かれるテーマ。社会的な課題解決型のコミュニケーションでもありだし、富士ゼロックスならではのコミュニケーション価値を掘り下げていくのもあり。投稿者が考える価値あるコミュニケーションとは?あなたの価値とは何ですか?と器の大きな寛大なテーマだった。これは提案しないわけにはいかない。デザインはコミュニケーションでもあるから。ここから漠然と想像を膨らませていく得意の妄想タイムが始まった。
02.アイデア展開 
ロボットで何をするか?自分が会議中にあったら良いなぁと思う機能を盛り込みつつ、隣で騒ぐ愛犬を眺めながら愛着が湧くスタイリングにまとめていった。どんな機能を持っていたらアイデア会議で使うだろう?楽しいだろう?と想像を膨らませていった。アイデアのスキャニング、プロジェクションをこのロボット1台で簡潔出来ると面白そうだなというイメージスケッチが出来上がった。デザイナーはスケッチによって思考を張り巡らせる。1番の醍醐味でもあり、特別な職能だと考えている。手が思考する。アタマで考えるのでは無くイメージを描きながら、さらにつぎのイメージに繋げていく。そんな過程を楽しみながら想像して創造していく。 


03.3Dモデル検討 
一次選考通過の通知の瞬間、モデリング作業へ移行。スケッチから具体的なカタチへの落とし込みを行っていった。どんな形体化が可能か。可動方法とスタイリングを考えながら、カタチをまとめていく。徐々に立体が浮かび上がってくる。3D上でモデルをグルグル動かしながら細かい部分の整合性を決めていく。カタチを造形していく。この作業もデザイナーの想像したイメージを具現化する為の特別な手続きだと考えている。デザイナー自らがモデルを考案することで、形体から形態化へ。一瞬一瞬は右脳をフル回転しながら、楽しみながら行っていく。 
04.wemakeユーザーとのブラッシュアップ 
wemakeでは、提案した投稿に対してwemakeユーザーと議論することが出来る。自分で課題設定をしてイシューという掲示板を立ち上げて、ポイントを絞って議論を深めることができるシステムがある。ROXを利用するシーンについて思い込んでいったり、問題となる障壁を洗い出したり、キャラクター性について語ったり。最終的に「相棒」というコンセプトが出来上がった。 

05.コンセプトサマリー 
ゼロックスさんからのコンセプトサマリーシート一枚に、アイデアの素を落とし込んでいく作業。辻褄がどうも合わない箇所が出てきたりして、行ったり来たり。とりあえずシートにはまとまったが、自分がイメージしていた通りのものになったかといえば、何か歯車がズレてしまっている感じがしていた。なんだかしっくりこない。デッサンをしていてパースが狂っているのに似ている。どこかの設定がおかしい状態ではだ。このコンセプトシートをブラッシュアップしていくことで、実際のターゲットユーザーのどんな課題をどう解決していくのかが明確になる。そんな気がした。 
06.最終プレゼンに向けて 
wemake大川さんとゼロックス森本さんとでプレゼンリハーサル。固い印象を与えるプレゼンだったのを柔らかく分かりやすく、論理も明快にブラッシュアップ出来た。課題設定で如何に共感をしてもらうか、そこに注力した。収益モデルも明快にした。注文が多いのもROXに期待してくれている証拠。残りの時間で出来る限りプレゼンテーション資料のブラッシュアップに努めた。リハーサルも20回くらいやった。上手く喋れず自暴自棄になりながら...。CGムービーもkeynote上の随所に散りばめて飽きさせないプレゼンに拘った。 
動画あなどるなかれ。言葉に出さなくてもROXの雰囲気が伝わる工夫を細部まで練りこんで仕上げていった。レンダリング設定も一部変えて、イラスト風に見えるようにしてみた。 

■keynoteによるプレゼンテーション資料

■コンセプトムービー
07.最終プレゼンテーション 
11:00頃に横浜R&Dスクエア到着。どこから入るのか迷ってしまう程の大きなビル。wemake大川さん達はせわしなく今日のプレゼンの準備に追われていた。富士ゼロックスのメンターだった森本さん安斉さんと挨拶。森本さんは直談判してメンターになってくれたそう。すごく嬉しい一言だった。 
その後プレゼンター控えスペースへ。KOTSUBOKUBOさん、ゆーきさんと挨拶。ゆーきさんは名古屋から来たとのことで意気投合。普段は研究開発をしているのとのことで、デザインとは違うエンジニアの方々も多く、凄く新鮮。しかも全く違う分野で働く人たちが集まってくる。話を聞いているだけで何もかもが新鮮で刺激になる。 

プレゼンの順番はくじ引き!マジか! 
心の準備も何も無い...。トップバッターをひいてしまった。前座で軽く自己紹介して、いざプレゼン。ゼロックス馬場さん、鎌田さん、大川さんが場内を暖めてくれたので、雰囲気が良い中、気持ちよくプレゼンが出来た。伝えることは伝えきった。トップバッターでプレゼンも終わり、リラックスしながら、他の投稿者の方のプレゼンを楽しみながら聞くことが出来た。みんな創意工したプレゼン。デザイナーではない畑が違う人のプレゼンを見る機会なんて今までほとんど無かったので刺激を受けまくり。5分という短い時間の中で如何に自分のアイデアにメッセージを込めるか。聞いてください!素晴らしいでしょ!このアイデア!そんな投稿者の熱が伝わってくる。質疑応答ではゼロックス役員の方々からも積極的に質問が飛び交い、熱と笑いと真剣さが交わった場の空気がとても心地良かった。 

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デザイナーに必要な力について

私は、デザイナーにとって必要な3つの力があると考えています。
これはどんなデザインをする上でも欠かせない力=スキルなんじゃないかな…と。
磨こうと思えばいくらでも磨けるスキルです。
人によって考え方は違うので、必ずしもこれが必要!!ということは無いですが、
どれか一つだけでも秀でたスキルを持たとしたら、デザイナーとして自信を持てるのではないでしょうか。


とりあえず思いつくままに箇条書きで実務に関連する内容を書き出してみます。

伝達力 Comminication→presentation
・モデラー、設計者、他部署、メーカー、業者とのコミュニケーション、伝達力。
・第三者からみて、誤解を与えないような指示書と直接の打ち合わせによる伝達方法。
・正確に自分の考えや造形を伝える為の形状指示による伝達方法。
・クライアントを説得する為の感情に訴えかけるプレゼンテーション。
・共感力を引き出す為に自分ごとから語るシナリオメイキング的プレゼンテーション。

表現力 Representation→sketch
・デザイナーの基本的な表現方法=スケッチ技法
・アイディアスケッチによるアイディア発散とアイディアの収束の繰り返し。
・ラフスケッチによりクライアントとのイメージを共有する力。
・ラフレンダリングによる現実への落とし込み。夢を具現化する方法。
・レンダリングによる正確な造形伝達。

発想力 Idea→Editing
・基本的なアイディア発想法の習得。
・マインドマップ、マンダラート、オズボーンのチェックリストなど。
・コンセプトメイキング。シナリオシンキング。物語編集力など
・「遊び」をパッケージとして提案する発想力・編集力へ

こうやって並べてみると3つの力はそれぞれ関連しています。
三位一体なんだと思います。


簡単に図解してみます。


そして、論理から飛躍しますが、
この3つの力は剣道の精神=武士道の精神にも合い通じるのではないか…
というのが、僕なりの仮説であり、これから自分で実証していきたい考え方です。

気剣体の一致です。

=伝達力 → 気持ちのあるプレゼン

=発想力 → 磨き上げたアイディア

 体=表現力 → 手から伝わる起電力がスケッチ表現へ

ここでようやく論理の呪縛から解き放たれました(汗)

みなさんがデザイン実務を行う上で、自分はどのスキルに秀でているだろうか?
これからどんなスキルを磨いていきただろうか?といった自問自答するのに、
参考になればと思います!




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デザイナーがモデリングすると...どんなことが出来る?

デザイナーがモデリングのスキルを磨くことについて考察してみようと思います。

モデリングをいろいろとやってみて思うこと

1伝達
モデリングの仕方を知っていないと、
モデラーへ形状を100%伝達することは難しい。
自分のイメージ通りの形状を第三者にしてもらうには、
阿吽の呼吸みたく二人三脚でやっていくことが必要。
しかし、ベッタリ張り付いてモデリング監修するというのも、
時間の都合もありなかなか難しい。
基本サーフェイス面だけでもモデリングして、
立体造形の伝達が出来るだけでも、イメージのロスが少なくて済む。

2立体的な奥行きや制約を考慮検討
モデリングスキルがある程度あると、簡易の形状を自分で作って、
意匠のスペース検討が可能になり、造形イメージが膨らませやすくなる。
造形の考察は3D上で行うことによって初めて可能。
スケッチで悩むのと、モデリングで悩むのとでは、
後者の方が建設的な回答を導き出せることが多い。
デザイナーはスケッチだけ描いておしまいではない。
造形センスも必要となる。モデラーと対等に話を進められることは、
デザイナー本来の能力の一つだと思う。


3スケッチでは出来ないコミュニケーション
結果的にモデリングツールを習得したら、スケッチ造形が速くなった。
絵だけ=2Dだけで考えていた時よりも、造形展開が速くなる。
なかなかデザイナーのおもうような造形を一発でモデラーに伝えて、
十分納得がいく形状を作り出すということは、難しい。
そこで、自分でシミュレーションしてみて、ある程度イメージを確定していく段階で
CGツールやCADツールを使うことはとても有効な手段。
モデラーとモデリングのキャッチボールをしていくことで、
より現実的に落とし込んだデザインが可能になり、
より魅力のある造形が可能になると断言する。

みなさんも少しだけでも3DCADやCGツールを触ってみることをオススメします。

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デザイナーは見栄えだけを考えているのか?

デザイナーはカタチや見栄えだけを考えているのでしょうか?
勿論、造形へのこだわりや、プレゼンテーションの資料を
より良く魅せる為の工夫はスキルの一つだと考えていますが、
それだけではありません。

今回、富士ゼロックスさんとwemake様と協創してきた
経緯を
全て知っている人にはわかってもらえるんじゃないかと思います。
単に可愛いスタイリングだけを考えてきたわけではありません。
富士ゼロックスさんの持っているノウハウを調査し、

どんなシーンでROXを利用するのが効果的なのか、

wemakeユーザー、wemake運営者、富士ゼロックスメンターさんと一緒に考え抜いてきました。

デザインという言葉に勘違いが横行しています。
デザイン=カタチを作り出す
だけでは足りないのです。

僕は今回のコンペでスタイリングデザインだけを提案したわけではありません。
そのカタチにすることでどんな役割を担うのか、
機能や性能も含めて考え抜いてきました。

アイディアを提案すると、提案内容に対して責任が伴うと考えています。
本当にそれ、実現出来るの?
デザイナーは夢物語を語ることもしますが、
それだけではありません。
具現化するための道のりも一緒に考えていきます。

モノづくりというのは、一つ進むごとに、必ず課題や問題が生じます。
その回答と解答を考え抜いて緻密に設計していくことが最も大切なことだと考えています。

絵に描いた餅だけでは全く意味がありません。
僕が常に教科書にしている図があります。

デザイン力=発想+表現+伝達

この考え方は川崎和男氏が提唱しています。※1

 

そこにアレンジを加えました。
発想×表現=描写
絵に描く力=スケッチ
ということになります。
如何に手描きのスケッチで発想を伸ばし、
自分の意図を表現するか。
発想×伝達=編集
自分の発想を伝えるためには、
アイディアを編集することが必要です。
物語化すること。
伝達×表現=プレゼンテーション
自分の表現したものを伝えるためには、
プレゼンテーションをすることが必要です。
聴取を自分の考えているのか世界に引き込む力を
どのように養うかが重要。
このどれかが欠けたら、デザインは成り立ちません。
発想、表現、伝達は三位一体なのです。
こういったことを日々鍛錬しているのが本物のデザイナーだと考えています。
だから、単に絵が綺麗、綺麗な動画を作るということ
だけだと思われると、間違いなわけです。

※1 参考文献

 川崎和男「プレゼンテーションの極意」

 第一章「三位一体の発想・表現・伝達」参照

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ヴィジュアリスト

ビジュアリストという役割

 クライアントがモヤモヤしている、悩んでいる状態にあるところから、
 霧が晴れてスッキリして、明快なイメージを持てるようにすることが
 僕らデザイナーの役割なんだと実感したことがありました。

 僕は、ここで【ビジュアリスト】という言葉を使いたいと思います。
 目に見えていないものを見えるようにすること。
 これは、かのバウハウスで教鞭をふるったパウルクレーも言っています。

また硬い話だな~と思わず聞いてください!

クレーさんの言葉を言い換えるとすれば、デザインは…
「クライアントが頭の中で描けていない
 イメージを見えるようにすることだ。」
 といえるんじゃないでしょうか。

このように考えますと、私達に要求される水準というのも分かってきます。

・ヒアリングする力
・振り幅を持って提案出来る力
・的を得たデザインを考える力
・要望を上回る圧倒的なデザインを提案する力

 私の得意分野は、ヒアリングをしてメーカーの意図を読み取り、
 的を得たデザインを過去のスケッチやコンセプト資料からいろいろ編集し、
 方向性を提案することです。

みなさんならどんなヴィジュアリストを目指しますか?

 いや~私にはそんな力ないからヒアリングの段階で怖気づいてしまいそう…
 最初はそうです。みんな一緒です。
 最初は見えません。手探りの中からこれはどうだろう?
 こういう方向性はどうだろう?
 といろいろな角度からスポットを当ててデザインを詰めていきます。

美容師を思い浮かべてみてください。

 まず、美容室に行くと雑誌を渡されたり、髪形の並んだ写真から、
 どんな髪型が良いか聞かれます。
 この段階がヒアリングですね。カット中などは世間話をしながら、
 その人の趣味や好みなどもヒアリングするかもしれません。
 そして完成したら、鏡でチェック。イメージが違うとニュアンスを伝え、
 再度カット調整してもらいます。
 相性もあるかと思いますが、人気のある美容師ってどんな人でしょうか?

そのフローを簡単な図にしてみました。
美容室でのやりとりをイメージしながら見てみてください。


①イメージの明確化
 アメーバのようなモヤモヤ。髪型もボサボサ。 
 そこで、ポンポンとイメージが湧き出るような雑誌やカタログを用意してあげて、 
 好みが分かったら、チョキチョキ挟みを動かし、イメージをパキパキさせます。 

②イメージ確認のステップ
 ラフスケッチでふり幅を広くした状態で提案。どんな感じが良いですか~? 
 コレコレ!これだよ!これで行ってください! 
 イメージが絞られればラフレンダで明快なデザインを提案。 
 コレコレがなければ、もう一度戻って、別の方向性を用意してみましょう。 

③要求水準
 常に自分のイメージの幅や深さを豊かにしているか。 
 これによって、最終的にCとまりなのか、Bなのか、Aなのか、 
 Sまでいけるのかが変わってくると思います。 
 Sランクまで行けば、予約殺到ですよね。 


スケッチ力は引き出しがあり、それでもCやBがAにならない。 
そんな人にとって強力な武器になると思います。 

決して自己満足だけで終わってはいけないのが 
プロダクトデザイナーだと思います。 
しかし自己満足から始まるのもプロダクトデザイナーの宿命です。 
一人称のデザインでモノを考え、 
二人称のデザイン~三人称のデザインへ引きあげること。 
難しいですが、これも重要なことですね。 

身近な人の美容師になったつもりで、 
どうしたら満足してもらえるか考えてみても良いですね!
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オープンなモノ作り

通常ごく一般的なモノ作りは、今までは企業秘密として、
社外へは情報を一切漏らさないよう、細心の注意を払って、
開発が進められてきた。
競合他社に負けまいと、アイデアやデザインを自社内にストックして、
温め続けていく。
商品発表の日まで、開発、量産の情報は、
極秘情報として隠される。
特にプロダクトデザインではこの方法がメインストリームであった。

しかし、これからはどうだろう?
coconalaやlancers、などクラウドソーシング、
WeMakeなどのオープンなプロダクト開発サイトなどで、
個人のお客様からデザインの依頼を受けたり、コンペに参加したりするようになって、
これからは、オープンな仕事が主流になってくるのでは無いかと強く実感している。

日常生活の中での問題や、社会の問題は企業側が発見するよりも早くに、
エンドユーザーが発見している。
問題を発見して、その解決法を企業とエンドユーザーが一緒になって考えていく。
エンドユーザーこそが開発の担い手になるのだ。
デザイナーはエンドユーザーの悩みを解決する糸口を提案していくスタンスに変化していく。

そんな予測が立てられる。
オープンに開発を進めることで、エンドユーザーから直接注文を受け、
全国各地から勇姿を募って開発体制が整えられていく。
そんなモノ作りの新たなステージが見えてくる。
インハウスデザイナーとして一つの企業に所属して、
モノ作りをしていく一方で、パラレルキャリアとして、
エンドユーザーが持つ問題を解決するプロジェクトにも参加していきたい。

インハウスはインハウスで優秀なデザイナーが集まっている。
だからこそ、一つの組織だけで自分の表現なり技術なりを閉じ込めておくことは勿体無い。
外の世界を見ることで自分の視野も広がり、新たな技術や経験も獲得出来、
何よりエンドユーザーと直接コミュニケーションを取れるようになる。
自分がデザインしたものが、どんな反応を受け、どのように進化していくのかを見届けることが出来る。
さらにその経験をインハウスにも持ち帰って、伝搬していけば、
新たな企業文化やブランドに繋がっていくのでは無いかと、妄想を張り巡らせている。






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思考の口癖

常日頃からデザイナーとして考えるときの口癖にしている言葉がある。

デザイナーとして常に求められることがある。

新鮮で斬新なアイデア。
魅力あるデザイン。
エンドユーザーの心に響く物語。
効果的な演出方法。
圧倒的な造形美、スタイリング。

なかなか解決の糸口が見えてこない時には、
図のような思考の口癖を呪文のように唱えては、
もっと良い方法やアイデア、デザインは無いだろうか、
と手探りの中思考を巡らせていくことにしている。

僕は優柔不断な方だから、本当にコレだ!
というアイデアやデザインに行き着くまでには、
頭の中を右往左往する方だ。

あーどうしよ…
こんなんじゃダメだよなぁ…
うーん、上手くいかない…

七転八倒の精神でどんだけ転がっても起きてやる!
…と自分に言い聞かせながら、目の前の問題を解決してきた。
特にプロダクトデザイナーはあらゆる専門分野と関わりながら仕事をしていく為、
折衝ごとが多くなる。
そんな時は思考の口癖を武器にして、
なんとか絵に描いた餅を餅で終わらせないように、
みんなの叡智を結集して良いモノを作るんだ!
という意気込みで仕事に励んでいるつもり。

デザイナーが折れたら、おしまいだから。
デザイナーの情熱はプロジェクトメンバーへ必ず伝搬していく。
そんなイメージを持って仕事に励んでいる。

思いつきを、思い込んで、思いやりへ変えていく。
これは恩師の教えだ。
デザイン思考という言葉がもてはやされているが、
そのことに警笛を鳴らす恩師のブログを注視している。
思考と言う言葉の中には、日本古来の漢字の意味を
改めて思考してみる必要がありそうだ。

http://www.ouzak.co.jp/blog/?p=44987










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拘りについて

あらゆる事に拘りを持つということ。
デザイナーに求められる資質である。
拘りの無いデザイナーには仕事が来ない。
適当にやっていい加減な指示しか出せないようなデザイナーには、
適当な仕事しか舞い込んでこない。

拘りを持って一つ一つの問題に真摯に向き合い、
より良い方向へ解決に導くようなデザイナーとしての態度は、
最も重要な職能態度であると考える。

そんな細かいとこ、誰も見てないよ。
とんでもないもの作ってくれたなぁ。
どうやって量産するんだよ。
やりすぎ、やりすぎ。

そんな言葉はみんな褒め言葉だと捉えたい。
徹底的に拘りを持って、カタチを創りあげていく過程では、
どうしてもうまくいかない事や、制約上の壁にぶつかることが多々ある。
納期的な、時間的制約にも縛られる。

しかし、そんな制約がある中でも、
120%自分の拘りを捨てず、諦めず、
着実に歩を進めれば、必ず糸口となる突破口は
開けてくるものだと信じたい。

そういったデザイナーの姿勢を見て、
手助けしてくれる人達が周りにいることが、
とても幸せなことなんだと実感している。

プロジェクトに関わった人達みんなに感謝したい。