【境界=間】に佇む

 

■AIDA 

 

虹色パラシュートプロジェクトの一環として、ロボットアイディアを考案したいと考えています。発達障害児とその家族のコミュニケーションにこそ、スポットを当てていかなければいけない気がしています。【間(AIDA)】を取り持つ存在として、ロボットが【触媒】となり得るのではないだろうかという仮説です。AI機能は基本ベースとして必要最低限だけあれば良いと考えています。間接的に第三者が間に入りコミュニケーションを取るような方式を考えています。こうすることで、客観的立場からの意見をロボットを介して貰うことが出来ます。AI機能は家族同士の日頃の会話や感情の動きなどから、現在の状況を分析し、適切なコミュニケーションを取ります。 

 

■HAZAMA 

 

境界に佇むロボットの役割は、クッション(衝撃吸収剤)であり、余白であり、間であり、中立なのです。あちら側とこちら側の境界に佇むロボットなのです。文化の違いや、価値観の違い、教育の違い、生活背景の違い、そういった違いを認め合えない、分かり合えないことで、生じる問題を解決するためのロボットという存在を追いかけて行きます。これは僕自身が体験してきた問題でもあります。目の前の問題を解決するための手段が分からない状態をアポリアと呼びます。アポリアであっても、なんとかしたい。デザインは問題解決のための手法です。もうそろそろ、欲望の刺激装置としての大量生産デザイナーという、今まで目を背けてきたことから、次のステージに上がっていかなければいけない時かもしれません。シフトチェンジできるようトルクのあるモーターを積んで、一気に駆け上がって行けたらなぁと考えています。間にはまり込んでいるので抜け出す必要があります。 

 

■専門家と繋がるコミュニケーション 

 

つい先日、弁護士.comとココナラの弁護士相談を利用しました。専門家がネット上のサービスに登録していて、相談者が悩みを投稿すると、即座に登録弁護士から回答が帰ってきました。通常ならなかなか直接弁護士に依頼することなんて出来ませんが、簡単な内容での受け答えレベルですが、やりとりさせていただき、非常に有用な情報を得ることが出来ました。ビザスクという専門家に相談できるサービスもあります。これから専門家に気軽にネットを介して相談できるという、新たなプラトフォームが活発化してくるのではないでしょうか。カウンセラー、デザイナー、コンサルタント、企画マン、建築家、企業診断士、弁護士、医師、薬剤師、などなど。今までなかなか接点を持ち得なかった人たちと繋がる。しかも一瞬で。そんな世界が待ち受けています。専門家が受け答えしてくれる場合、今は文字でやりとりしていますが、これが会話に、対話になってくるはずです。そんな時に、ロボットを介して対話する、といった間にロボットというキャラクター性を持った存在が介在することで、クッションとなり、コミュニケーションがスムーズにできるようになるのではないだろうか。そんな予感がしています。 

 

具体的にはまだまだこれからの企画ですが、グツグツ煮込んで、革新的ロボットを産み出してみたいなぁと考えています。ロボットへの愛着は果たして醸成できるのでしょうか、親近感、親密感、親和感を持つことができれば、家族の中の問題を解決する糸口が見つかるかもしれません。アポリアな問題を野放しにしておくことは出来ません。遠回りになるかもしれません。しかし何もせずにはいられませんよね。