モノ作りにおける図解表現その1 【図面】

■図面

 

物作りにおける図解伝達手段としては、図面、断面図、側面図など、空間の中に物質を定義する、カタチを定義するための図解があります。その中でも最も古くから使用されてきている図解手段が2D図面です。デザイナー、モデラー、設計者、品質管理者、試作加工業者、金型屋など、モノ作りの専門家同士の最も正確なコミュニケーションツールと言っても良いでしょう。最近では、3Dデータでのコミュニケーションが主流ですが、データを扱えなかったり、CADツールの互換性が無いとデータ閲覧が出来なかったりもするので、万国共通のツールとして図面が必要となるケースが多いです。デザイナーにとっても、図面データから、シボ指示や、2次加工の仕様書等を作成することが多く、実寸サイズでモノを確認する為のツールになります。
 
■断面図
そして、図面の中にはバッサリとある直線で切り取られた断面図という図解があります。モノ作りにおける構成・構造・実装を考える場合に必然の図解です。樹脂、基板、LED、機構などの実装化を検討する際に図面を手描きで書けないと、設計者やモデラーとのコミュニケーションは取れません。造形の起伏、制約がある中で如何に形状を作るか、部品と部品の合わせ方、組み付け方や、部品どうしのクリアランスなども精密に断面図から想像して、定義をしていきます。設計者には必須の図解ですが、デザイナーにとっても必須と言っていいでしょう。意図する形状を正確にモデラーや設計者へ伝える為に、実寸断面図を描ける、図面を引けることが形状を決めていく上では重要なスキルとなります。