FUJIXEROX 価値あるコミュニケーション「ROX」

「Idea Facilitation communicator ROX」

01.応募のきっかけ 
とにかく面白そうなテーマだった。価値あるコミュニケーション。漠然としているがなぜか心惹かれるテーマ。社会的な課題解決型のコミュニケーションでもありだし、富士ゼロックスならではのコミュニケーション価値を掘り下げていくのもあり。投稿者が考える価値あるコミュニケーションとは?あなたの価値とは何ですか?と器の大きな寛大なテーマだった。これは提案しないわけにはいかない。デザインはコミュニケーションでもあるから。ここから漠然と想像を膨らませていく得意の妄想タイムが始まった。
02.アイデア展開 
ロボットで何をするか?自分が会議中にあったら良いなぁと思う機能を盛り込みつつ、隣で騒ぐ愛犬を眺めながら愛着が湧くスタイリングにまとめていった。どんな機能を持っていたらアイデア会議で使うだろう?楽しいだろう?と想像を膨らませていった。アイデアのスキャニング、プロジェクションをこのロボット1台で簡潔出来ると面白そうだなというイメージスケッチが出来上がった。デザイナーはスケッチによって思考を張り巡らせる。1番の醍醐味でもあり、特別な職能だと考えている。手が思考する。アタマで考えるのでは無くイメージを描きながら、さらにつぎのイメージに繋げていく。そんな過程を楽しみながら想像して創造していく。 


03.3Dモデル検討 
一次選考通過の通知の瞬間、モデリング作業へ移行。スケッチから具体的なカタチへの落とし込みを行っていった。どんな形体化が可能か。可動方法とスタイリングを考えながら、カタチをまとめていく。徐々に立体が浮かび上がってくる。3D上でモデルをグルグル動かしながら細かい部分の整合性を決めていく。カタチを造形していく。この作業もデザイナーの想像したイメージを具現化する為の特別な手続きだと考えている。デザイナー自らがモデルを考案することで、形体から形態化へ。一瞬一瞬は右脳をフル回転しながら、楽しみながら行っていく。 
04.wemakeユーザーとのブラッシュアップ 
wemakeでは、提案した投稿に対してwemakeユーザーと議論することが出来る。自分で課題設定をしてイシューという掲示板を立ち上げて、ポイントを絞って議論を深めることができるシステムがある。ROXを利用するシーンについて思い込んでいったり、問題となる障壁を洗い出したり、キャラクター性について語ったり。最終的に「相棒」というコンセプトが出来上がった。 

05.コンセプトサマリー 
ゼロックスさんからのコンセプトサマリーシート一枚に、アイデアの素を落とし込んでいく作業。辻褄がどうも合わない箇所が出てきたりして、行ったり来たり。とりあえずシートにはまとまったが、自分がイメージしていた通りのものになったかといえば、何か歯車がズレてしまっている感じがしていた。なんだかしっくりこない。デッサンをしていてパースが狂っているのに似ている。どこかの設定がおかしい状態ではだ。このコンセプトシートをブラッシュアップしていくことで、実際のターゲットユーザーのどんな課題をどう解決していくのかが明確になる。そんな気がした。 
06.最終プレゼンに向けて 
wemake大川さんとゼロックス森本さんとでプレゼンリハーサル。固い印象を与えるプレゼンだったのを柔らかく分かりやすく、論理も明快にブラッシュアップ出来た。課題設定で如何に共感をしてもらうか、そこに注力した。収益モデルも明快にした。注文が多いのもROXに期待してくれている証拠。残りの時間で出来る限りプレゼンテーション資料のブラッシュアップに努めた。リハーサルも20回くらいやった。上手く喋れず自暴自棄になりながら...。CGムービーもkeynote上の随所に散りばめて飽きさせないプレゼンに拘った。 
動画あなどるなかれ。言葉に出さなくてもROXの雰囲気が伝わる工夫を細部まで練りこんで仕上げていった。レンダリング設定も一部変えて、イラスト風に見えるようにしてみた。 

■keynoteによるプレゼンテーション資料

■コンセプトムービー
07.最終プレゼンテーション 
11:00頃に横浜R&Dスクエア到着。どこから入るのか迷ってしまう程の大きなビル。wemake大川さん達はせわしなく今日のプレゼンの準備に追われていた。富士ゼロックスのメンターだった森本さん安斉さんと挨拶。森本さんは直談判してメンターになってくれたそう。すごく嬉しい一言だった。 
その後プレゼンター控えスペースへ。KOTSUBOKUBOさん、ゆーきさんと挨拶。ゆーきさんは名古屋から来たとのことで意気投合。普段は研究開発をしているのとのことで、デザインとは違うエンジニアの方々も多く、凄く新鮮。しかも全く違う分野で働く人たちが集まってくる。話を聞いているだけで何もかもが新鮮で刺激になる。 

プレゼンの順番はくじ引き!マジか! 
心の準備も何も無い...。トップバッターをひいてしまった。前座で軽く自己紹介して、いざプレゼン。ゼロックス馬場さん、鎌田さん、大川さんが場内を暖めてくれたので、雰囲気が良い中、気持ちよくプレゼンが出来た。伝えることは伝えきった。トップバッターでプレゼンも終わり、リラックスしながら、他の投稿者の方のプレゼンを楽しみながら聞くことが出来た。みんな創意工したプレゼン。デザイナーではない畑が違う人のプレゼンを見る機会なんて今までほとんど無かったので刺激を受けまくり。5分という短い時間の中で如何に自分のアイデアにメッセージを込めるか。聞いてください!素晴らしいでしょ!このアイデア!そんな投稿者の熱が伝わってくる。質疑応答ではゼロックス役員の方々からも積極的に質問が飛び交い、熱と笑いと真剣さが交わった場の空気がとても心地良かった。