オープンなモノ作り

通常ごく一般的なモノ作りは、今までは企業秘密として、
社外へは情報を一切漏らさないよう、細心の注意を払って、
開発が進められてきた。
競合他社に負けまいと、アイデアやデザインを自社内にストックして、
温め続けていく。
商品発表の日まで、開発、量産の情報は、
極秘情報として隠される。
特にプロダクトデザインではこの方法がメインストリームであった。

しかし、これからはどうだろう?
coconalaやlancers、などクラウドソーシング、
WeMakeなどのオープンなプロダクト開発サイトなどで、
個人のお客様からデザインの依頼を受けたり、コンペに参加したりするようになって、
これからは、オープンな仕事が主流になってくるのでは無いかと強く実感している。

日常生活の中での問題や、社会の問題は企業側が発見するよりも早くに、
エンドユーザーが発見している。
問題を発見して、その解決法を企業とエンドユーザーが一緒になって考えていく。
エンドユーザーこそが開発の担い手になるのだ。
デザイナーはエンドユーザーの悩みを解決する糸口を提案していくスタンスに変化していく。

そんな予測が立てられる。
オープンに開発を進めることで、エンドユーザーから直接注文を受け、
全国各地から勇姿を募って開発体制が整えられていく。
そんなモノ作りの新たなステージが見えてくる。
インハウスデザイナーとして一つの企業に所属して、
モノ作りをしていく一方で、パラレルキャリアとして、
エンドユーザーが持つ問題を解決するプロジェクトにも参加していきたい。

インハウスはインハウスで優秀なデザイナーが集まっている。
だからこそ、一つの組織だけで自分の表現なり技術なりを閉じ込めておくことは勿体無い。
外の世界を見ることで自分の視野も広がり、新たな技術や経験も獲得出来、
何よりエンドユーザーと直接コミュニケーションを取れるようになる。
自分がデザインしたものが、どんな反応を受け、どのように進化していくのかを見届けることが出来る。
さらにその経験をインハウスにも持ち帰って、伝搬していけば、
新たな企業文化やブランドに繋がっていくのでは無いかと、妄想を張り巡らせている。